リーグ・オブ・レジェンド(FOXの映画紹介)

ショーン・コネリーの爺様が、ファントム率いる謎の組織相手に大暴れ映画。元ネタがコミックということでキャラ先にありき、ストーリーは後付けでセオリー通りの展開といった所です。アクションや映像は派手で惹きつけられる物がありますが、主人公とボスが非常に地味で山場に欠けたのは残念な所です。潜水艦ノーチラス号のトンデモさやハイド氏・吸血鬼ミナの活躍を能天気に楽しむのが正しいスタイルでしょう。吸血鬼がなぜ日光の下を歩けるのかは全く謎でしたが。
あとマニアックな楽しみ方ですが、作中で登場する超兵器群はなかなか凝っててグッドです。例えば銀行襲撃時に登場した菱形戦車ですが、1915年にイギリスが開発したMk.I戦車に非常に良く似たフォルムです。ドイツ風の兵士がイギリス風の兵器に乗り込んでイギリスの銀行を襲うというのは、なんともニヤリとする展開でした。
豆知識としてMk.I戦車は開発当時、実態を隠すために「(水を入れる)タンク」の暗号名で呼称されていましたが、これが後に広まり英単語の「tank」となりました。実戦ではライフルの弾を弾き返しながら登場してドイツ兵を大いに驚かせましたが、時速6kmと鈍足だったため大砲の的になりやすく、大した戦果は挙げられなかったそうです。
また「自動ライフル銃なんてそうそうあるものではない」とションコネを脅かせた自動ライフル銃ですが、個人携帯のマシンガンとして初めて登場したのは1918年に登場したトンプソンM1、ブローニングM1918、ベルグマンMP18、世界初のアサルトライフルとされるのは1943年に登場したドイツのMP43となります。1899年当時の銃器はリボルバーかライフル銃くらいで、トムの持ってきたウィンチェスターM73でさえ6連発です。初っ端から動作不良起こしたりして格好悪い所はありましたが、個人携帯可能で連射可能な鉄砲という時点で十分に超兵器といえましょう。他にも世界初の自動拳銃であるルガーP08も登場してました。
しかしネモ艦長の部下が持っていた鉄砲、あれはステンmk.II(1942年)というイギリス製のサブマシンガンを純銀で派手に装飾したものなんですが、誰も突っ込まなかったのは何故でしょうかね。太陽発電式の潜水艦といい、垂直発射式のミサイルといい、もしかするとネモ船長ってファントム以上の科学力持ってませんか?
※3日にちょっと加筆