Next Target(造反有理より)

著作権関係のお上でのアレコレは最近聞くだけでウンザリするのですが、今回のはそれに輪をかけてウンザリ度増です。その昔、といっても2002年の出来事ですが、エニックスら大手ゲームメーカーがゲームソフトの中古販売を規制しようと裁判を起こしまして、最高審でかろうじて中古販売は合法であると判決が出ました。しかし今回はその判決を覆して規制を進めろと、金子一義大臣がおっしゃっています。(2002年の裁判に関しては、こちらのサイトさんで分かりやすく取り上げています)
中古販売が規制されるとどうなるかというと、小売店側として売れゆき予測を立てるのが難しい、しかも利益率が低くて返品が効かない商品を扱うのはほとんど博打となります。売れないゲームの在庫を抱えてしまえば即、倒産です。流通するソフトは収益が見込めるものばかりとなり、独創的で前例の無いゲームは見向きもされなくなるでしょう。
また消費者にとっても、定価5800円の買い物は躊躇せざるを得ません。財力の低い低年齢者には誕生日や年末イベントでしか手に入らなくなり、気軽にゲームに触れる機会がなくなります。結果、ゲーム業界を目指す青少年、可処分所得をゲームにつぎ込む有能な消費者が減少し、ただでさえ少子化の影響が大きいとされるゲーム業界が将来的にさらに縮小してしまいます。
この両者が互いに作用し、結果として業界全体が滅亡してしまうのは明らかです。開発者に金が降りない中古販売が存在しないとゲーム業界が成り立たないというのも皮肉な現状ですが、それを取っ払うとどういった影響をもたらすのか、知的財産の保護という大義名分に酔うのは結構ですが、お上の人にはもうちょっと頭を使って働いてもらいたいものです。