スチームボーイを見てきた

封切り当日に見てきました。久々の大友作品という事で少々構えておりましたが、内容はAKIRAスプリガンと違ってチューブウネウネすることがなかったのでほっとしました。超高圧の蒸気(何の蒸気かは不明)を封じ込めたスチームボールを巡って財閥やイギリスや科学者が争奪戦を繰り広げるというのが大筋ですが、出てくるメカがとにかく超デカイ&すごい蒸気&片っ端から壊れる。直径50mくらいあるフライホイールがブンブン回ったり超巨大な歯車が火花散らして噛み合ったりするけれど、蒸気を通した端からリベットがバチンバチン弾け、パイプがメリメリと膨れ上がり、終いにバルブがボガーンと爆発する、そのカタルシスがたまりません。端っから限界越えて動かすことを前提としているといいますか、そりゃ19世紀だし技術的に無理あるし仕方ないよねと思いますが、それでも何とかしてみせるのがマッドな科学者というもので、後半以降のスチーム城の描写には開いた口が塞がりませんでした。クララがー!
惜しむらくは全体的に平坦で、盛り上がりに欠ける所。なんといいますかスチームボーイを30分アニメ全26回と仮定すると、1〜2話から12話くらいまで一気に飛んで第一部完といった感じで、主人公や悪役の見せ場がほとんどありません。スチーム城の方に時間を割いてしまったため、話を掘り下げる時間が取れなかったのかもしれませんが、父親と祖父以外のキャラに魅力が足りないまま後半雪崩れ込んで行ってしまったのは少々残念な所です。
全体としてはメッセージの読み取りや科学的考証といった楽しみ方をするよりも、でかいメカ凄い!爆発して凄い!と単純に楽しむタイプのアニメだと思いました。特に歯車好きな男の子は必見。
エンディングクレジットに続編らしきカットが流れますが、続編製作が早くも決定してた模様。今作は企画から10年を掛けて完成しましたが、次回は2、3年以内になんとかするようで。実際は何年後になるのでしょうねー。